TITLE

インタビュー: 鈴木Daichi秀行 meets DL Cables

  • 2019年4月17日
  • レコーディング
インタビュー: 鈴木Daichi秀行 meets DL Cables

サウンドプロデューサー: 鈴木Daichi秀行さんに、DL Cablesを使用した感想を伺いました。

AAI: 実際にレコーディングで使って頂いた印象を聞かせてください。

鈴木: どれもオーディオ的と言うよりは『楽器的』で、ミュージシャン向けだなと感じました。
「フラットな特性」を謳うケーブルが多いですが、『フラットって何だろう?』と言う疑問はありますよね。
確かにレコーディングの機材では、あまり味付けがない特性が好まれますが、ギターやベースに関しては楽器自身、アンプ、エフェクター、ケーブル等のキャラクターが大事だなと思っています。
DL Cablesは、その選択肢の1つとして選べるくらいキャラクターが出ています。『バッファーアンプ』くらいの解釈でも充分使えるケーブルです。
そう言うポイントからも、ギタリストが弾いて気持ち良いケーブルだと思います。
他にハイファイで抜けの良いケーブルもありますが、もうちょっと『ロック向き』と言うか、『あれが欲しい』イメージの時に、DL Cablesを使うと良いですね。
ギターやアンプを変えるのは大掛かりだけど、ケーブルで際立つと言う選択肢は大きいです。

AAI: ミュージシャンに試していただいた感想は如何でしたか?

鈴木: やっぱりキャラクターが付いて来るから『おお!』って驚きがあり、楽しそうでしたよ(笑)。
その『おお!』には、ピッキングの反応がダイレクトに出る…など、弾いている人しか分からない世界もありますね。
ミュージシャンが好きなケーブルだと言えますね。ウンチクが多くても『そうなのか〜』ってなってしまいますから。

AAI: 「こんなシチュエーションにオススメ」というポイントを教えていただけますか?

鈴木: やっぱロック系ですかね。僕自身がそう言うのが好きだし、そう言う現場で使う機会が多いです。
独自キャラクターがちゃんとあって、音も立ってくれる。これはそう言うシーンで活躍してくれると思います。

【ギター用ケーブル】

AAI: 試されたPERFECTION GOLD BLACK(黒)とPERFECTION GOLD(白)の違いは?

鈴木: PERFECTION GOLD BLACKはロックとかポップスの「これぞギター!」というサウンド。
PERFECTION GOLDも向いている方向は一緒で、バリエーションの1つですね。それぞれキャラクターがあり、あとはギターやプレイスタイルとの相性でしょうね。
僕なら、ガンガン歪ませるならPERFECTION GOLD BLACK。歪んでないセミアコや繊細なサウンドにはPERFECTION GOLDを選びますね。

どちらもパンチがありますよ。
ギターって実は高域も低域もそんなに出ていなくて、中域に寄っています。
だから、ケーブルのレンジが広いと音が散ってしまいます。
DL Cablesはその辺のチューニング感が良く、パンチやアタック感が良く感じられます。それが弾きやすさにも関わってくるのだと思います。

AAI: スタジオで使うケーブルは決めておられますか?

鈴木:ブレない軸が必要なので、定番は決まっています。
今までケーブルってそんなにキャラクターが出る事を求めていなかったのですが、ギター本体のキャラクターの違いもあるので、『もうちょっとバンチが欲しいな』という選択肢としてDL Cablesは意図的に使えますね。

AAI: DL Cablesのキャラクターは強い方ですか?

鈴木:はい。でも「楽器」としてはOKだと思います。アンプから鳴っている音って、プレイにも影響する部分じゃないですか。
そこが良くなる分には良いと思います。ハイファイなケーブルだと、露骨にダメなところも再現しちゃうので、むしろ弾き辛かったりもします。
音を整えてくれるので、ちょっと上手くなった気がするケーブルですよね(笑)。
バッファーアンプもそう言う狙いで使う事もありますし、それでキャラが選べるのが良いですね。

AAI: ギターサウンドのイコライジングについて教えていただけますか?

鈴木:音楽にもよりますが、基本カットはしますね。
なるべくEQしなくて良いようにマイキングで解決しますけど、低域は本当に邪魔なものだけをカットします。後は色々な楽器が入って来てマスキングされちゃう時にEQします。

DL Cablesはカットしなくも良いケーブルであると思います。
クリティカルな部分は再生されていて、余計な成分を切ってくれる。
しっかりミックスで存在感を残してくれます。
そこがないと音が前に出てこないので…。それがハイファイなケーブルだと音が散ってしまい『パンチ感が少ない』と感じてしまう事があります。

【ベース用ケーブル】

AAI: BASS SERIESのインプレションはどうでした?

鈴木:『ガッツ系』な感じがしました。歪ませてよし。スラップしてよし。
地味な感じじゃなくて楽しく弾ける。
家とスタジオなど環境によっても違うので、そこで逆方向にしてみたらどうだろう…など、+αで納得いかない部分の違いが出せる面白さがあります。

AAI: 方向性によるサウンドの違いは、面白い使い方だと思います。

鈴木: 使える機能ですね。音が結構変わります。
ケーブルに書かれているプレイスタイル(Rock/Punch)が出てきますね。どっちも良い感じなので『1本2役』…凄く面白い。

DL Cablesはサウンドのフォーカスが合っていますね。
ベース用のケーブルはレンジが広く作られている物が多いのですが、何かキャラクターが無いと『音の存在感』がなくなってしまう傾向にありますよね。

【マイク用ケーブル】

AAI: マイクケーブルはいかがでした?

鈴木: 倍音が出てガッツがありましたね。
アナライザーで周波数帯域を測った結果とは違う『体感する要素』は凄く重要だと思っています。
DL Cablesはそこで感じる良いポイントが出ています。

特にライブ現場は、結局Shure SM58が多いじゃないですか。
PAさん的には音抜けの問題があっても、ハウリングしにくいから良いとメリットもある…。
マイクは替え辛いわけです。こんな時にケーブルを替えれば、楽器的なサウンドの変化が感じられますね。

AAI: 最後にライブとレコーディングで使い方の違いについても教えてください。

鈴木: ライブはパフォーマンスに関わる部分など「使いやすさ」も重要な要素になりますけど、レコーディングは適材適所でのセレクトが可能です。
例えば複数のケーブルを延長しても各ケーブルの特徴が出るじゃないですか。
その場合、キャラクターが強い方が勝ちますので、HAからミキサーの間にDL Cablesのようにキャラクターが分かりやすいケーブルを入れても面白いかもしれませんね。


【鈴木Daichi秀行 プロフィール】

バンドConeyIslandJellyFishのメンバーとしてデビュー。
レコーディングスタジオ「Studio Cubic」を活動拠点にレコードレーベル「Studio Cubic Records」を立ち上げ、近年はサウンドプロデューサーとしてバンドからシンガーソングライター、アイドルまで得意な幅広い音楽性を生かし活動する傍ら新たな才能を求め新人発掘、育成などにも力を入れている。