太く、温もりのある感触を。
テープならではのサチュレーション、ワウ&フラッターがもたらす微妙な揺らぎ、Biasレンジによるエコーサウンドの変化……深くロックシーンに刻まれたそのミスティークなテープエコーのサウンドが蘇ります。 マグネティック・テープを超えたモンスター機、エル・キャピスタン。
UK、US & Japan madeのビンテージ・テープエコーの秀作機を徹底解析し、strymon独自のdTapeテクノロジーを開発。代表的な3種類のテープエコー・マシンのサウンドを酷似に再現。更に、それらのディメンションを超えて本機は登場しました。 他のstrymon同様、超高速DSPだから実現できた素晴らしいサウンドをお楽しみください。
ライン入力(+4dB)にも対応していますので、ミキサーからのインサート等にもご使用いただけます。また、2012年5月製造版より、TRSステレオ入力にも対応しています。
ビンテージ・テープエコーの感触
固定ヘッド・モード
複数ヘッド・モード
スライド式ヘッド・モード
3種類のテープヘッド・モード
El Capistanに搭載された3種類のテープヘッド・モードは、ヘッド位置が固定されたテープエコー・マシンの特徴と、テープスピードが固定された機種それぞれのエッセンスを網羅しています。
固定ヘッド・モード
fixed TAPE HEAD モード(固定ヘッド・モード)では、「TIME コントロール」はテープのスピードを調節します。
- A:ショート・ディレイ/タップテンポ:16分音符
- B:ミディアム・ディレイ/タップテンポ:付点8分音符
- C:ロング・ディレイ/タップテンポ: 4分音符
複数ヘッド・モード
multi TAPE HEAD モード(複数ヘッド・モード)では、3つのヘッドから動作するヘッドを2つ選択します。「TIME コントロール」はテープのスピードを調節します。
- A:ヘッド1と2が動作します
- B:ヘッド2と3が動作します
- C:ヘッド1と3が動作します
スライド式ヘッド・モード
single TAPE HEAD モード(スライド式ヘッド・モード)は、テープ・スピードを固定し、録音ヘッドから再生ヘッドまでの距離を調節することによって、ディレイ・タイムを決めるモードです。 「TIME コントロール」はスライドするヘッドの位置を調節します。
- A:テープ・モーターの速さが2倍の速さに固定されます。高音質の再生音と短いディレイタイムが再生されます。
- B:テープ・モーターの速さが通常の速さに固定されます。劣化の多いの再生音と長いディレイタイムが再生されます。
- C:ルーパーとして使えるSound on Soundのモードです。
サウンド・オン・サウンド(ルーパー)機能
ムービングヘッド・マシン(エコープレックス)のように、El Capistanには録音した音が繰り返される「サウンド・オン・サウンド機能」を備えています。本機にはエコー・マシンの録音機能に加え、テープ・スタイルの『Looper/ルーパー』として使用できるように、テープの継ぎ目の設定や一発消去の機能を搭載しました。
「TAPE HEAD:Single/MODE:C」に設定すると、エコー・マシンのように録音が始まります。 録音するテープ長を決めるために、まずTAPスイッチを押して録音テープのスタート位置を設定します。次に、再びTAPスイッチを押して音のストップ位置(テープの継ぎ目)を設定します。スタートからストップまでの音が繰り返されている間、全てのコントロールは有効ですので、リアルタイムで音質を変更する事ができます。TAPスイッチを3度目に踏むと、全ての録音が消去されます。なお、録音時間は、低速で20秒、高速で10秒です。
A taste of everything
最初のパートはsingleを使用。time 0:15でMODEをB→Aに切り替えています。リピート音が倍速に変わるのが聴き取れます。次のパートはfixedが使用され、REPEATSとWOW & FLUTTERとTape Crinkle(※)を上げて汚れたサウンドを作っています。0:42から徐々にTIMEコントロールを下げ、0:49ではREPEATSをだんだん最大に近づけて行き、0:51で最大にしています。
Worn out tape
multi、MODE Bを選択。WOW & FLUTTERとTape Crinkle(※)を適度に加えます。TAPE AGEは70%程度。
Saturated wash
singleを使用。MODE AでTape Crinkle(隠し機能)設定は“0“、Low End Contour(※)設定は”最大“にし、低域が大きくカットされたリピート音に設定しています。磁気ドラムのエコー・マシン(BINSON)の設定です。高いリピート設定では、ギターサウンドのバックでサチュレートしたサウンドが鳴り続けます。
Magnetic drum wash
TAPE AGEは最小。Tape Bias(※)=70%、REPEATSは発振するレベルまで上げます。Low End Contour(※)は最大に設定します。
Dark and dirty
fixed、MODE Bを選択。TIME最大、この状態はWOW & FLUTTERとTape Crinkle(※)の影響を最も受けます。修理調整が必要なテープ・エコー・マシンのサウンドです。
In need of service
fixed、MODE Bを選択。WOW & FLUTTERとTape Crinkle(※)は最大に設定します。要修理のエコーマシンのサウンドです。
Dirty slap
fixed、MODE Aを選択。ディストーション・ギターのサウンドにスラップバック・エコーを加えています。タイムを適度に伸ばすとミックス時に他とブレンドしやすくなります。
Old tape
fixed、MODE Bを選択。TAPE AGE =75%
更に古いテープのサウンドの再現にはLow End Contour(※)=75%、WOW & FLUTTER & Tape Crinkle(※)を50%に設定します。
Power guitar
single、MODE Aを選択。TAPE AGEでナチュラルなエコーに調整します。パワーコードに最適なエコーサウンドが得られます。
Better days
最初はRoland Juno 6のドライサウンド。
fixed、MODE Bを選択。TAPE AGE =75%、Low End Contour(※)=50%、WOW & FLUTTER & Tape Crinkle(※)を75%に設定します。80年代を思わせるサウンドです。
Wow & Flutter
single、MODE Bを選択。WOW & FLUTTER と Tape Crinkle(※)を4段階に調整して、テープエコーのコンディションを模倣しています。WOW & FLUTTER と Tape Crinkle(※)を高く設定していくと、だんだん不安定でロー・ファイなサウンドに変化していきます。
Tape echo arpeggio
最初はRoland Juno 6のドライサウンド。
fixed、MODE Aを選択。TAPE AGE、Low End Contour(※)、WOW & FLUTTER & Tape Crinkle(※)全てを50%に設定します。
Rasta
fixed、MODE Bを選択。Spring Reverb(※)を加え、REPEATSを高く設定します。レゲエの特徴的なサウンドが得られ、リピート音がリズムをサポートします。
Tape with drive
fixed、MODE Bを選択。アンプモデリングは若干歪ませます。
TAPE AGE、Low End Contour(※)=75%、WOW & FLUTTER と Tape Crinkle(※)=50%。 TIME コントロールを「max → min → max」と動かしています。
録音方法:El Capistan → Digi002 → Line 6 POD Farm plug-in(Vox AC30 amp model)
Spaceship
fixed、MODE Aを選択。ショートリピート設定でTIMEを変化させて、クラッシックなスペースサウンドを作っています。サウンドクリップは一音を入力して、El Capistanのコントロール操作でサウンドを変化させています。
Dirty multi head
multi、MODE Bを選択。
TAPE AGE & Tape Crinkle(※)=75%。Spring Reverb(※)も追加。
録音方法:El Capistan → Digi002 → Line 6 POD Farm plug-in(Vox AC30 amp model)
Rastaship
RastaとSpaceshipをオーバーダブしました。
El Capistanに搭載されたノブ・コントロールは、本体に記された通常のコントロール以外にも、Tape Biasを調整したり、テープの摩擦やシワを再現したり、Reverb搭載のテープ・エコーを再現するコントロールなど、これまでの歴史上に存在した様々なテープ・エコーに限りなく近づけることが可能です。
入力信号(ギター信号等)はAD変換されず、アナログのままディレイ信号とミックスされます。 アナログ信号パスは、内部で昇圧されたアナログ専用電源を用いた高級HiFiレベルのミキサー回路を採用。原音が損なわれることはありません。
インプットは、本体内のジャンパー・スイッチによってモノラル/ステレオ(TRS)を切り替えることができます。 アウトプットには、モノラルのアンバランス端子が、左チャンネル、右チャンネル用にそれぞれ用意されています。ギター用のステレオ・エフェクターとしてはもちろん、+4dBの信号にも対応しておりますので、ミキサー卓のインサートに接続してラック型エフェクターと同様に使用することができます。
El Capistanでは、エフェクトON時の信号レベルを±3dBの範囲で調整することが出来ます。
ディレイ音をバイパス切替え時に残すBuffered Bypassと、ディレイ音を完全にカットオフするTRUE & Buffered Bypassを選択する事が可能です。
別売フットスイッチを使用して、FAVORITEプリセット(お気に入り:1設定のみメモリー可能)とコントロールノブの設定との切替えが可能。
5つのノブ・コントロールから1つにアサインして、エクスプレッション・ペダルを使ってリアルタイム・コントロールすることができます。
テープ・エコー実機に例えて説明した場合、「fixed」および「multi」のTAPE HEADモードでは、テープのスピードを調節します。「single」モードではスライドするヘッドの位置を調節します。
SPRING REVERB:スプリング・リバーブの追加量を調節します。最大値でスプリングの質感が最大限に生かされます。
ドライとエコーのミックスをコントロールします。最小でドライ100%、最大でディレイ 100%に設定できます。ドライとエコーのミックスはアナログ回路内で行なわれ、ドライ音はデジタル変換される事なく、オリジナルの音質を損ないません。3:00辺りの設定で50:50のミックスが得られます。
±3dB:エフェクトがオンになった時の音量を3dBのブーストまたはカットすることができます。 12:00の設定で0dBとなります。
テープの違いやテープ・ヘッドの調整不良による、周波数帯域と音質の違いを調節します。古いテープは周波数帯域が狭く、高域のサウンドが少し劣化して温かいサウンドに変わります。また、テープ・ヘッドの調整不良は、高域の音質の劣化に大きな影響を与えます。
LOW END CONTOUR:リピート音の低域を調節します。原音に近い周波数帯域の再現から、ハイパス・フィルターをかけたサウンドまで再現する事が出来ます。ビンテージのエコー・マシンには低域が削られたサウンドを生み出すものがありました。
エコーのリピート数を調節します。0%の位置でリピート数は1回、100%の位置で無限に繰り返されるリピートが再現されます。
TAPE BIAS:テープ・マシンのバイアス調整の状態を再現します。高い設定値ではヘッドルーム(録音レンジ)が狭く音量が低くなります。低い設定値ではヘッドルームの広くなるため、クリーンなサウンドが得られます。
テープの動作によるピッチの揺れを調節します。低い設定値では、良く整備されたマシンのように、ピッチの揺れの少ないサウンドが得られます。高い設定値ではピッチの揺れが大きくなります。また、このコントロールはテープのスピードにも影響されます。コントロールの設定値が高い時、遅いテープ・スピードでは揺れが大きくなり、速いテープ・スピードでは空間的な深みが大きくなります。
TAPE CRINKLE:摩擦やシワ、汚れ、継ぎ目などテープに発生している異常を再現します。最小値で手入れされた新品状態のテープを再現し、最大値で劣化してグチャグチャの状態のテープを再現します。このパラメーターは、テープ・スピードに影響されてサウンドが変化します。
El Capistanに搭載された3種類のテープヘッド・モードは、ヘッド位置が固定されたテープエコー・マシンの特徴と、テープ・スピードが固定された機種それぞれのエッセンスを網羅しています。
- fixed:固定ヘッド・モード
- multi:複数ヘッド・モード
- single:スライド式ヘッド・モード
各TAPE HEAD選択時に違う働きをします。
タッピングでエコータイムを設定すると、タッピングのスピードに合わせてテンポLEDが点滅します。また「Sound on sound(ループ機能)」使用時には、ループの開始地点と終了地点を指定する為に使用します。
※TAPフットスイッチをホールドするとリピート音を永続的にホールドすることができます。
エフェクトのオン/オフを切り替えます。工場出荷時にはトゥルーバイパスに設定されています。LEDの点灯時がエフェクト・オンの状態です。
※バイパスを「バッファード・バイパス」に切り替える場合は、BYPASSフットスイッチをホールドしながらアダプターを接続して電源を入れます。バッファード・バイパスの場合は、バイパスする際にエコーのリピート音が残ります。
楽器レベルおよびライン・レベルの信号を入力することが出来ます。入力インピーダンスは、1MΩのハイ・インピーダンスです。 また、本体内部のジャンパー・スイッチによって、モノラル入力/ステレオ入力(TRS)を切り替えることができます。
モノラルのアンバランス端子が、左チャンネル、右チャンネル用にそれぞれ用意されています。ギターアンプのINPUTやエフェクトループ、さらにはライン・レベルの信号にも対応します。出力インピーダンスは100Ωです。本機をモノ使用する場合はL出力からアンプやミキサーに接続します。
エクスプレッション・ペダル入力には、以下の外部ペダルが接続可能です。
- エクスプレッション・ペダル:任意のコントロールをリアルタイム操作
- TAP スイッチ:タップテンポの入力
- FAVORITE スイッチ:お気に入りのセッティングの保存
2012年5月以降に製造された製品(※フットスイッチを押した際に「カチッ」とクリック音がしない物)では、ステレオ入力が使用できるようになりました。INPUT端子には、TRSステレオ端子が採用されています。工場出荷時の設定ではモノラル入力として動作しますが、本体内部のジャンパー・スイッチを切替えることで、ステレオ入力に切り替えることができます。ジャンパー・スイッチは裏蓋を外した中にあります。ステレオで入力する場合には、TRS ステレオ入力用ケーブル(Y字ケーブル)を使用してください。
9VDC(センターマイナス)250mA以上の電源を使用してください。
インプット、アウトプット、スイッチ
- 入力インピーダンス:1 Meg Ohm
- 出力インピーダンス:100 Ohm
- 最大入力レベル:+8 dBu
- バイパス:トゥルー・バイパス(出荷時)、バッファードに切り替え可能
DSP、オーディオ
- 24bit/96kHz A/D & D/A
- S/N:115 dB
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- SHARK DSP採用
- DSPパフォーマンス:1596 Mega FLOPS
- 32bit 浮遊演算方式
その他
- 入力電圧:9VDC センターマイナス、250mA
- サイズ・重量:102mm(幅)×117mm(縦)×67mm(高)※突起部含む / 450g
- 軽量、堅牢なアルマイト処理アルミシャーシを採用
- Made in USA