デレク・ナカモト 氏が語る MOBIUS & TIMELINE レビュー
- 2014年2月3日
- アーティスト
プロデューサー、コンポーザー、アレンジャー としてロサンゼルスを中心に活動をするナカモト氏。
キーボーディスト出身であり、プロデューサーに転身後はウィル・スミスなど有名ミュージシャンの作品を手がけてこられたデレク・ナカモトさんがMOBIUSとTIMELINEを愛用してくださってる縁もあり、インタビューをさせて頂きました。
— デレクさんが、strymonを使い始めた経緯や感想などを教えてください。
初めてショーでstrymonのデモ演奏を見た時に衝撃を受けました。strymon製品を使用しているミュージシャン仲間も多くいます。 みんな「持っている」のではなく、使っています。持っていても使われないエフェクターも多いですからね。
デジタル部に高性能プロセッサー、アナログ部は高級Hi-Fiオーディオアンプと同等のロジックが使われていると聞いて納得しました。私はテクノロジーに関しては詳しくないですが、音を聴いてその凄さが伝わりました。1つのペダルに、物凄い数の異なるコンビネーションが組み込まれているのが素晴らしいですね。
— 私にとって重要なのは、トラックに馴染む事、ダイナミックレンジ、立体感と空気感です。
レコーディングでRhodesを弾く時にMobiusと組み合わせると、バーチャル楽器(プラグイン)が多いセッションにも、音が自然と馴染みます。重要なことは「トラックに馴染む事」です。ギタリストが膨大な機材を持ち込み良い音を出しても、トラックに馴染まなければプロデューサーも頭を抱えてしまいます。
strymon製品はノイズが少なくダイナミックレンジが広いので、Rhodesピアノ のような70~80年代のレコードで聴けたクラシックなサウンドでも、音がモダンに生まれ変わります。Rhodesの他にもMini Moogなどアナログ機器を多く持っていますが、strymonを通せば生きたサウンドとして使い続けることができます。
strymonを通した音は立体感があり空気感も感じられます。過去に他社の製品をいろいろ使ったことがありますが、ノイズが多くて壊れやすく、二次元的な音のため立体感を足すのに苦労しました。それに引き換え、Mobiusは通すだけで立体感が出るのに驚きました。
— MIDI信号を使えば、エフェクトのテンポをリアルタイムにコントロールできる。
Tapテンポを使えば、どんな曲にでもエフェクトのテンポを合わせられるのも便利ですね。 今後はMidi機能も使いこなしたいと思ってます。LogicにMIDI信号をマッピングしておいて、パラメーターをリアルタイムでコントロールしてみたいですね。
私はこれまで、80年代に大流行したTri Stereo Chorus(DyTronics Cs-5)も使っていましたが、strymonの方が多才で、多くの可能性を秘めていると思います。反応の良さも抜群です。Rhodesはアナログでダイナミックレンジも広いですが、強く弾いてもMobiusはしっかり反応してくれますし、すばらしいプログラムがいろいろあります。
サウンドトラックのように、音数を多くしたくないけどテクスチャーが多く欲しい時にMobiusを通すと、1音鳴らしただけでも雰囲気あるサウンドに変わります。サウンドに色付けをしたい時の必須のアイテムになりました。
デレク・ナカモト
プロデューサー、コンポーザー、アレンジャー
1981年、ロサンゼルスに移住後、ミュージシャンとしての活動を開始。バンドHiroshima(Epicレコード)での活動後、セッション・ミュージシャンとして活躍。プロデューサーに転身後はウィル・スミスなど有名ミュージシャンの作品を手がける。 近年では、リスボン(ポルトガル)で行われたアンゴラ人のワルデマール・バストスとグルベンキアン・オーケストラが共演した歴史的なコンサートのミックスを手がけた。