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ギタリスト TAKUMI 氏が語る El Capistan & TIMELINE レビュー

  • 2014年3月7日
  • アーティスト
ギタリスト TAKUMI 氏が語る El Capistan & TIMELINE レビュー

PRSのエンドース・ギタリストであり、GACKT、SUGIZO(X JAPAN/LUNASEA)のツアーや作品に参加するほか、また、SOUND DESIGNER誌の連載対談でもおなじみのTAKUMIさんがEl Capistanを愛用してくれています。
今回は、TAKUMIさんのプライベート・スタジオにお邪魔し、strymonの感想やサウンドメイクに関するお話を伺ってきました!

— まずは、strymonとの出会い、El Capistanの感想を教えてください。

僕は元々、ディレイが大好きなんです。ディレイを探しているときにエフェクターを紹介するホームページで「スゴいのが出る!」っていう噂を読んだり、El Capistanを絶賛しているレビューを見て、これは使ってみようって思ったんですよ。

ところが、楽器屋さんに行ってみたら売り切れてるんですよね……。 「これはきっとスゴい人気なんだ!」と、いろいろ探して3日後に手に入れたんですよ。 楽器屋さんに弾きにいったら、「これは!」、聴いたことのないようなディレイのサウンドでした。「これが欲しかった」っていうサウンドでしたね。

もちろん、レコーディング・スタジオに置いてあったテープ・エコーは使ったことがありますし、凄く良い。スゴい良かったですけども……これはさすがにライヴには導入できないなっていう。だって、メンテナンスが大変そうじゃないですか。(笑)

それで、最初にEl Capistanを聴いたときには、再現性が半端ないって思いましたよ。ランダムな感じも、ノイズの感じも、サチュレーションの感じも、テープ劣化の感じも。質感が本物のアナログのテープ・エコーだなって。デジタル・ディレイにノイズを足したような音じゃなくて、CDじゃなくてレコードのような温かい音。たまらないです。“裏モード”に付いているスプリング・リバーブも面白くて、実際のテープ・エコーにもスプリング・リバーブが付いている機種もありますし、(そのサウンドにしたくて)1日中いじくりまわしてたこともあるくらい。(笑)

レコーディングで最初に使ったのは、僕がGacktさんと初めて一緒に仕事をさせてもらった「Episode.0」のレコーディングの頃なので、2011年の5月頃のことだったと思います。

(使い方としては)ギターから直で掛けるんじゃなくて、ギターのクリーン・サウンドを録った後に、ミキサー卓からEl CapistanをLR(ステレオ)で通して戻す、リアンプみたいな使い方をしましたね。それがもう、すこぶる良くて!それからはライブ用のエフェクトボードにも入れるようになって、もう切っても切れなくなっちゃいました。

でも、“出会い”っていうと、去年の「東京ギターショー」かも知れない。(笑) 僕はもうその頃にはstrymonを使っていたんですけど、一緒に行ったBREAKERZのSHINPEI君が弾いたことないって言ってたんです。だから、「コレ、ほんとスゴいから弾いてみなよ!」って、オールアクセスさんのブースにお邪魔したんです。それが本当の意味で出会いかも知れないですよね。(笑)

TAKUMIさんのエフェクトボード EL Capistanに加えて、TIMELINE、Eventide社のディレイが採用されている。

TAKUMIさんのボードには、ディレイが3機種も!? どういう使い分けをしていますか?

そもそも、ディレイが好きだっていう理由もあるんですけども、El Capistanを好きになってから、その後になって、TIMELINEが出るのを知ってしまって……「こんなの出るのヤバいじゃん!」っていうのはあります。(笑)

TIMELINEを買い足した理由って、最初はMIDI機能に惹かれたからなんですよね。El Capistanって優秀な機材なんですけど、楽曲ごとにTAPテンポとかを細かくプリセットしておけないので、(ライヴで数十曲のプレイする場合は)プリセットをMIDIで制御できるTIMELINEを使うようにしています。でも、もどかしいのは、テープ・エコーの音だけはEl Capistanの音の方が好きなんですよね。(苦笑)

TIMELINEは、デジタル・ディレイだったり、ハーモナイザー的なエフェクトだったり、面白い効果がいっぱい入っているので、そこは割り切って使っています。綺麗なディレイ音と特殊効果はTIMELINEを使って、独特なテープ・エコーの響きはEl Capistanという風に使い分けてますね。

Eventideも有名なディレイですね。両方をお使いの上で、印象の違いはありますか?

いろんなディレイが入っていて、似たような意味でEventideも使ってるんですけども、SEND & RETURNにはそれを使って、ギターからの直列にはTIMELINEという風に使い分けてます。TIMELINEはレコードのノイズが乗せられるなど、面白い効果もあるんです。そんな面白い効果は直列で使いたいですから。

Eventideは、僕の中では優等生的なイメージがありますね。TIMELINEの方は個性があるというか、“世界観”がありますね。僕はギターのサウンドを創るときに、“世界観”みたいなモノを重視していて、strymonのエフェクターにはその“世界観”があるんですよね。好きで1日中弾いていられるほど好きな音ですね。TIMELINEで遊んでいて、そこからギターのフレーズが出てきたり、曲が生まれたり……僕にとっての「おもちゃ箱」のようなイメージかな。(笑)

僕、昔はラックを組むのにLINE6のディレイを使ってたことがあったんですよ。それも色々面白い効果が入ってたりして、それが、Damage Controlの(緑の)TimeLineに受け継がれて、今のstrymonのTIMELINEになって……(アルゴリズムを書いてる人が同じ人だと聞いたことがあったので)系譜というか、ギタリストをワクワクさせる遊び心は残っていますよね。ギタリストが喜ぶような音を知ってるよなぁって。

El Capistanを使ったフレーズの紹介と、インタビュー映像がご覧頂けます。

リリース情報

TAKUMIさんがギター、サウンドプロデュース/アレンジメントを務めたGACKTのニューシングル「P.S. I LOVE U」(2/12発売)が好評発売中。

P.S. I LOVE U [CD+DVD]
Single
2014/2/12|GLCD-00002|1,800円+tax
1.P.S. I LOVE U
2.RIDE OR DIE
3.P.S. I LOVE U -Instrumental-
4.RIDE OR DIE -Instrumental-
DVD:「P.S. I LOVE U」music clip
P.S. I LOVE U [CD]
Single
2014/2/12|GLCD-00003|1,200円+tax
1.P.S. I LOVE U
2.RIDE OR DIE
3.P.S. I LOVE U -Instrumental-
4.RIDE OR DIE -Instrumental-