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Audient 役に立つプロオーディオ関連知識 『バリアブル・インピーダンス?』

  • 2017年9月4日
  • レコーディング
Audient 役に立つプロオーディオ関連知識 『バリアブル・インピーダンス?』

たとえ話をしますので、図を見ながら聞いてください。列車はマイクロフォン、橋が負荷インピーダンスまたはプリアンプです。橋が頑丈であれば列車(乗客は信号です。)はスムーズに運行できます。列車が重ければ橋はより頑丈でなければいけません。

この橋のたとえ話のおいて、橋はオーディオ接続を意味します。低いソースインピーダンスと約5-10倍の負荷インピーダンス(橋の強度)という設定にすると、信号が確実に目的地に到着することができます。

通常、マイクの出力インピーダンスは約150Ω程度、プリアンプ入力インピーダンスはその10倍の1500Ω程度です。しかし、マイクの出力は周波数によって出力抵抗を変化させます。リアクタンス/キャパシタンスとして反応するコンポーネントが、このインピーダンスの変化させるのです。

マイクとプリアンプの接続

マイクとプリアンプの接続は次の図のように表すことができます。SM57ダイナミックマイクをプリアンプに接続したとしましょう。マイクの出力インピーダンスはデータ上では310Ωです。ASP880には以下のような3つのインピーダンスオプションがあります。

LO – 220 ohms (たるんだ=ブリッジ)
MED – 1200 ohms (クラシック 1970’s スタイル=ブリッジ)
HI – 2800 ohms (モダン、ストロング&グッドバランス=ブリッジ)
※ブリッジ: 最初のたとえ話の橋のことです。

マイクとプリアンプの接続は、この場合310Ω(ソース)と220-2800Ωの可変負荷インピーダンスです。:

ASP880に接続されたSM57から、ベストなサウンドと十分な出力ボルテージを引き出したいと考えます。プリアンプでは、レコーディング用の信号レベルに上げるために40-60dBのゲインが加えられます。この図のようなデバイダーをご存じでなくても、入力から出力レベルは以下のように算出できます。

Vin(入力レベル) = 1 volt、R1(抵抗) = 310 ohms

R2が以下のような場合のVout(出力レベル):
R2 = 220 ohms、 Vout = 0.41 volt
R2 = 1200 ohms、 Vout = 0.80 volt
R2 = 2800 ohms、 Vout = 0.90 volt

これらの設定の変化で何が変わるのでしょうか?
上に示したような出力信号レベルの変化と共に、下記のようなサウンドの要素に変化が現れます。:
・トランジェントのスピード
・パンチ
・オフアキシス(ルーム)サウンドのディテール
・周波数特性や音色(音質)

全体の出力レベル: -5dB for 220 ohms、-1dB for 1200 ohms (2800 ohms with a 150 ohm source、0dB信号)

マイクの種類と負荷インピーダンス
ダイナミック(ムービングコイル)やリボンマイクは、インピーダンスによりトーンに多きな影響を受けます。
トランス出力のコンデンサー・マイクロフォンは、マイクプリの入力インピーダンス設定によりトーンが変化します。
ソリッドステート出力のコンデンサーマイク(一般的に50Ω)は、負荷インピーダンスによるトーンの変化はわずかです。
多くのリボンマイクは、高いインピーダンスで落ち着いた低域特性(広域の暴れも少ない)が得られます。3600ΩのHIセッティングを推奨します。

HOW DOES IT SOUND
英語ページに、オーディオ・ファイルによるサウンドサンプルがあります。
ドラムを、異なるインピーダンスで録音した3つのファイルを聞き比べると、その差がハッキリと聞こえてきます。

https://audient.com/tutorial/what-is-variable-impedance/

動画「Audient ASP880 – Keep It Moving feat. Swift 89」

audient ASP880