次世代ディレイ
アナログ・ディレイを超えたクリアな存在感、デジタル・ディレイでは得られない弾き手のダイナミクスに追従する深い奥行き。 BRIGADIERは、ギタリストを魅了するノスタルジックなアナログ・ディレイのサウンドを自在に再現するだけでなく、実際のアナログ・ディレイでは到達できないS/N比の達成、アナログ・ディレイでは再生されない高周波域もカバーしたクリアなディレイ・サウンドも自在となります。
復刻版タイプのアナログ・ディレイでは不可能なタップテンポ、5秒のロングディレイ、∞リピート・ホールド機能、ワイドモジュレーション、セッティングのプリセット、リアルタイムのエクスプレッション機能などを搭載。先進のデジタル技術と堅実なアナログ技術が融合した異次元のディレイ・ユニットです。
ライン入力(+4dB)にも対応していますので、ミキサーからのインサート等にもご使用いただけます。また、2012年5月製造版より、TRSステレオ入力にも対応しています。
BBD回路をアルゴリズムで再現したdBucket
BBD回路をアルゴリズムで再現
BRIGADIERに搭載されている新開発の「dBucket テクノロジー」は、アナログ・ディレイの心臓部であるBBD ICを構成素子のトランジスターレベルから完全にエミュレートしたDSP技術です。BBD回路で音色に影響を与えるクロックICやコンパンダーのノイズリダクションによる影響までも克明に再現することを可能にしました。
dBucket テクノロジーは、アルゴリズムによって理想的なアナログBBD回路を理論回路として再現している画期的な技術です。従来のデジタル・ディレイがメモリーに貯め込んだデジタル音をディレイタイムに合わせて再生しているのに対し、dBucketでは、アナログBBD回路が音の遅延を生成する過程そのものを再現しています。
その証拠に、BRIGADIERに搭載された3種類のディレイモードの中から同じディレイタイムを設定した場合には、再生させるディレイ音のサウンドが違います。このサウンドの違いは、アナログ・ディレイでクロックICがサウンドへ与える影響と同じことで、TIMEコントロールを3:00以降の位置に回すと、リピート音がこもった抜けの悪い音へと変化していきます。このサウンドの変化はBUCKET LOSSとは独立した効果で、BUCKET LOSSを高く設定していると、このディレイタイムの設定による変化はマスキングされる場合があります。
このような特性から、クリアーな400msecのディレイを設定する場合は、med mode使用して行ないます。同様に1secのクリアーなディレイは、med modeではなくlong modeを使用します。long modeで5secに設定すると、アナログディレイの様なclockエフェクトが効いた高域の抜けの悪いリピート音を再生することができます。
dBucketテクノロジーとは?代表的なアナログ・ディレイのサンプル音
代表的なデジタル・ディレイのサンプル音
BRIGADIER(dBucket)のサンプル音
dBucket テクノロジーが可能にした3種類のDELAY TIME
BRIGADIERに搭載された3種類のディレイ・モードは、それぞれ異なるディレイ・ユニットのエッセンスを理論回路上で実現しています。モードスイッチは異なる数のdBucketチップを意味し、ディレイレンジが異なります。
- short mode(40 ~ 400ms)
short modeは、1つのBBD ICで作られた初期のアナログディレイ・ペダルをイメージしており、スラップバック、リード用ディレイ、アナログディレイ独得の発振などのサウンドに最適です。 - med mode(100ms~1000ms)
dBucketチップが追加され、ディレイタイムが100ms~1000msに伸ばされます。med modeは、現存する最長ディレイタイムのアナログディレイをイメージしています。 - long mode(500ms~5sec)
さらにdBucketチップが追加され、 ディレイタイムが500ms~5secに伸ばされます。long modeはアナログディレイ回路では不可能なスペックのディレイです。
Clock generation and feedback
med modeのディレイタイムで、無限リピートを設定し、Gマイナーコードを鳴らしました。アナログ・ディレイ同様にディレイタイムを変化させることでディレイ音のピッチが変わる様子を実験しています。
Lead tone
オーバードライブで歪んだ音に、ショートディレイを掛けています。
Bucket loss
med modeのディレイを使用して、BUCKET LOSSによる変化を実験しています。(最小-中間-最大)
Oscillations
ディレイをshortモードに設定。ギターを接続せず、Repeatを最大まで上げた状態でオシュレーターのサウンドを最大にした状態と同様のサウンドを作り出します。その状態でディレイタイムを変化させるとサウンドが変化します。最後にRepeatを一度下げ、tapスイッチを押したままの状態にして一気にRepeatを最大にまで引き上げる動作を繰り返し行いました。
Bucket depth
適度なBUCKET LOSSとMOD効果で、ディレイ音の広がりと奥行きを与えています。
Clarity and warmth
リピート音を1回に設定し、TAPモードを使ってリズムを作ります。適度なMOD効果とBUCKET LOSSで、聞き覚えのあるあのディレイ・サウンドを作りました。
3種類のパターンでディレイ・タイムのタップ入力が可能。(quater/4分音符、dot/付点8分音符、triplet/3連8分)
また、タップテンポ・スイッチをホールドすると、リピート音を永続的に繰り返す事ができます。
入力信号(ギター信号等)はAD変換されず、アナログのままディレイ信号とミックスされます。 アナログ信号パスは、内部で昇圧されたアナログ専用電源を用いた高級HiFiレベルのミキサー回路を採用。原音が損なわれることはありません。
インプットは、本体内のジャンパー・スイッチによってモノラル/ステレオ(TRS)を切り替えることができます。 アウトプットには、モノラルのアンバランス端子が、左チャンネル、右チャンネル用にそれぞれ用意されています。ギター用のステレオ・エフェクターとしてはもちろん、+4dBの信号にも対応しておりますので、ミキサー卓のインサートに接続してラック型エフェクターと同様に使用することができます。
BRIGADIERでは、エフェクトON時の信号レベルを+/- 3dBの範囲で調整することが出来ます。
ディレイ音をバイパス切替え時に残すBuffered Bypassと、ディレイ音を完全にカットオフするTRUE & Buffered Bypassを選択する事が可能です。
別売フットスイッチを使用して、FAVORITEプリセット(お気に入り:1設定のみメモリー可能)とコントロールノブの設定との切替えが可能。
5つのノブ・コントロールから1つにアサインして、エクスプレッション・ペダルを使ってリアルタイム・コントロールすることができます。
選択されたディレイモードの範囲内でディレイタイムを設定します。プレイ中にTIMEコントロールを操作すると、アナログ・ディレイのようにリピート音のピッチが変わります。
ドライとディレイのミックスをコントロールします。最小でドライ100%、最大でディレイ 100%に設定できます。ドライとディレイのミックスはアナログ回路内で行なわれ、ドライ音はデジタル変換される事なく、オリジナルの音質を損ないません。3:00辺りの設定で50:50のミックスが得られます。
+/-3dB BOOST / CUT:エフェクトON時の出力レベルを-3db〜+3dBの間で調節することができます。
BBD回路が引き起こす音質ロスのシミュレーションをコントロールします。最小で「0」ロス、最大でBBD回路独得のノイズや歪みが最大になります。3:00辺りで歪みが最大になり、それ以降はノイズが追加されます。
FILTER:BBD回路によってディレイ音が汚れていくニュアンスを加えていくことができます。
ディレイのリピート音を調整します。最小の1回からアナログ・ディレイ同様の発振まで設定可能です。3:00辺りの設定で発振しない無限リピートが得られます。
ディレイタイムにLFOモジュレーションを追加します。最小でオフ、時計回りに廻すに従ってモジュレーションの量が増えます。最小から1/2迄はスピードが遅いモジュレーションの深さだけが増し、1/2を超えるとスピードが速いモジュレーション深さが増加します。
ディレイ・レンジを切り替えます。
- short mode:40msec ~ 400 msec
- med mode:100msec ~ 1000msec
- long mode:500msec ~ 5sec
TAP入力に使用するタイムベースを切り替えます。
- quater:4分音符
- dot:付点8分音符
- triplet:3連8分
タッピングでエコータイムを設定すると、タッピングのスピードに合わせてテンポLEDが点滅します。また「Sound on sound(ループ機能)」使用時には、ループの開始地点と終了地点を指定する為に使用します。
※TAPフットスイッチをホールドするとリピート音を永続的にホールドすることができます。
エフェクトのオン/オフを切り替えます。工場出荷時にはトゥルーバイパスに設定されています。LEDの点灯時がエフェクト・オンの状態です。
※バイパスを「バッファード・バイパス」に切り替える場合は、BYPASSフットスイッチをホールドしながらアダプターを接続して電源を入れます。バッファード・バイパスの場合は、バイパスする際にエコーのリピート音が残ります。
楽器レベルおよびライン・レベルの信号を入力することが出来ます。入力インピーダンスは、1MΩのハイ・インピーダンスです。 また、本体内部のジャンパー・スイッチによって、モノラル入力/ステレオ入力(TRS)を切り替えることができます。
モノラルのアンバランス端子が、左チャンネル、右チャンネル用にそれぞれ用意されています。ギターアンプのINPUTやエフェクトループ、さらにはライン・レベルの信号にも対応します。出力インピーダンスは100Ωです。本機をモノ使用する場合はL出力からアンプやミキサーに接続します。
TRS端子のエクスプレッション・ペダルを接続し、任意のコントロールを操作することができます。 FAVORITEスイッチを押しながら電源をオンにし、電源投入後、最初に操作されたコントロールがエクスプレッション・ペダルで操作できるコントロールとなります。
2012年5月以降に製造された製品(※フットスイッチを押した際に「カチッ」とクリック音がしない物)では、ステレオ入力が使用できるようになりました。INPUT端子には、TRSステレオ端子が採用されています。工場出荷時の設定ではモノラル入力として動作しますが、本体内部のジャンパー・スイッチを切替えることで、ステレオ入力に切り替えることができます。ジャンパー・スイッチは裏蓋を外した中にあります。ステレオで入力する場合には、TRS ステレオ入力用ケーブル(Y字ケーブル)を使用してください。
9VDC(センターマイナス)250mA以上の電源を使用してください。
インプット、アウトプット、スイッチ
- 入力インピーダンス:1 Meg Ohm
- 出力インピーダンス:100 Ohm
- 最大入力レベル:+8 dBu
- バイパス:トゥルー・バイパス(出荷時)、バッファードに切り替え可能
DSP、オーディオ
- 24bit/96kHz A/D & D/A
- S/N:115 dB
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- SHARK DSP採用
- DSPパフォーマンス:1596 Mega FLOPS
- 32bit 浮遊演算方式
その他
- 入力電圧:9VDC センターマイナス、250mA
- 付属品:専用パワーサプライ
- サイズ・重量:102mm(幅)×117mm(縦)×67mm(高)※突起部含む / 450g
- 軽量、堅牢なアルマイト処理アルミシャーシを採用
- Made in USA