HOTONE インタビュー(後編):Ampero Ⅱ Stomp の更なる実力とは
- 2022年2月18日
- HOTONE
HOTONE インタビュー(前編):Ampero Ⅱ Stomp 開発の裏側に迫る
前編で開発秘話をお届けしたHotoneインタビューの後編では、Ampero II Stompnの更なる活用法について、Hotoneのアリ・ガルシアに伺いました。
Q9. Ampero Ⅱ Stompはオーディオインターフェイスとしてレコーディングにも活用できると理解しています。そのユーザーシナリオを紹介してください。
Ampero II Stomp は、コンピューターへ入出力できる8つのUSBオーディオチャンネルをサポートできます。デフォルト設定は以下の通りです。
1. Ampero Ⅱ Stompの入力に楽器を接続します。ドライ信号は、USB入力チャンネル7/8に割り当てられます。(※ ここでの「入力」は、コンピュータ側の視点です。)
2. 楽器の音はAmpero II Stompのシグナルチェーンで処理されます。AとBという2つのシグナルチェーンがある場合、チェーンAのアウトプットはUSB INPUTチャンネル1/2に割り当てられ、チェーンBの出力はUSB INPUTチャンネル3/4に割り当てられます。
3. 8チャンネルありますので、残り2つのUSB入力チャンネルはFXループのリターンに割り当てられます。したがって、FXループのリターンでAmpero II Stompが受け取る信号は、USB INPUTチャンネル5/6に送られます。
一般的ではない使用方法もあります。FXループのSEND端子に何も接続せず、FXループのリターン端子に楽器を接続する方法です。これで4つの楽器をAmpero Ⅱ Stompに接続することができます。そのうちの2つは、シグナルチェーン全体で処理されます。残りの2つはFXループの後に、残りのシグナルチェーンで処理されます。この手法をどのように使うかはあなたの創造力次第ですね。
4. Ampero Ⅱ Stompは、コンピュータから8つのUSBオーディオを扱うことができます。デフォルトでは、コンピュータからのUSB OUTPUT 1/2は、OUT端子とフォン端子にルーティングされますが、3/4、5/6、または7/8のチャンネルを選択することもできます。これらは通常、使用している DAWの設定によって変わります。詳しくはお使いになるDAWソフトのユーザーマニュアルをご参照ください。
4組のUSB OUPUT チャンネルのいずれかを FX Send端子に送信することもできます。Ampero Ⅱ Stompからアナログオーディオを出力するにはOUT/PhoneとFX Sendという2つの方法があります。これらの2つは、異なるオーディオ信号を扱うことができます。
詳しくは、Ampero II Stompのフルユーザーマニュアルを一度ご覧ください。
Q10. Reampしたい時は、どのように接続すればいいですか?
Reampは、別のプリセットを使用してドライトラックを再処理することです。そのため、ドライ信号のトラックがあることが前提です。(※ドライ信号とは処理されていない信号のことを指します。)ドライ信号用のUSB INPUT 7/8がありますので、DAWソフトでトラックを選んで、そのトラックの入力がUSB INPUT 7/8であることを確認してください。Ampero Ⅱ Stompを使ってレコーディングすると、ドライ信号のための別のトラックが取得をできます。(※もちろん、ウェット信号も別のトラックで取得できますが、今回の回答では割愛します。)
DAWにドライ信号を持つトラックがある状態で、そのトラックの入力を設定せず、変更しないでください。そのトラックの出力をUSB出力3/4に設定します。次にAmpero Ⅱ Stompまたは編集ソフトに移動し、USB 3/4に信号チェーンの入力を変更します。その信号チェーンのノイズゲートをオフにするか、削除してください。
DAWに戻って、新しいトラックを作成し、入力にUSB INPUT1/2を、出力にUSB OUTPUT 1/2を設定します。ドライ信号トラックを再生し、あなたのモニターやヘッドフォンから処理された信号を聞いて、ドライ信号はReampされていることを確認しましょう。
もしプリセットの出力に満足出来ない場合は、狙い通りの音になるまで、ノード/パラメータを変更します。好きなだけ何度でもReampさせることができます。
Ampero Ⅱ StompとDAWでReampを行う別の方法もありますので、慣れてきたら、自分のやりやすい方法で設定してみてください。
Q11. MIDI、OTGの場合、Ampero Ⅱ Stompをエフェクターボードの中枢にすることができますね。なにか良いアドバイスやTipsがあれば教えて下さい。
Ampero Ⅱ Stompは、TRSとUSB MIDI接続の両方をサポートしています。
USB MIDI は、WindowsまたはMacOSを起動しているPCとMIDIデータを交換するために使用します。USBケーブルを差し込めばすぐに使用できます。モバイルデバイスの場合はドングルが必要です。iOS デバイスの場合は、iOS デバイス用のカメラアダプターが必要です。この時、Appleの純正品を使用することをお勧めします。iOSデバイスでMIDIを使用する場合、2つのポートを備えたカメラアダプターが必要です。Androidデバイスの場合、Androidのバージョンとハードウェアの互換性に様々な種類があるため、ここでオススメをお伝えするのは難しいのですが、通常、Androidデバイスの適切なOTGアダプタを見つけることができれば、Ampero Ⅱ Stompで動作させることができます。
お使いのコンピュータやモバイルデバイスでMIDI機能を使用する場合は、使用するソフトウェアやアプリに動作性が依存します。そのため、MIDIデータを送受信する方法については、これらのソフトウェアまたはアプリのユーザーズマニュアルを参照してください。DAWをお使いのコンピュータにインストールしている場合は、MIDIデータをAmpero Ⅱ Stompに送信して、プリセットの変更やパラメーター切り替えなどのプロセスを自動化することができます。モバイルデバイスでは、多くの人がSongbookのようなアプリを使用しているため、曲に合わせてプリセット変更が可能です。MIDIはとても汎用性が高いので、あなたの想像力次第でさまざまな工夫ができるでしょう。
TRS MIDIのコネスティについては、あまりお伝え出来ることはありません。他のMIDIデバイスを接続するだけで完結しますが、ご注意いただきたいことは、5-PIN DIN MIDIデバイスで接続する場合は、5-PIN DIN <ー> TRSケーブルが必要になる可能性があることです。(メーカーによって仕様が異なるため注意してください。) 3つのフットスイッチのみを搭載したシンプルなAmpero Ⅱ Stompが、エフェクターボードの満足できる「中枢」になれるかどうかは分かりませんが、基本的に、他のデバイスからのコマンドを受信するように(MIDI IN&THRU/OU設計)設計されています。プリセットが選択(または選択解除)されたときにMIDIメッセージのグループを送信できるよう、プリセットにMIDIコマンドをうまく組み込めば、Ampero Ⅱ Stompは「中枢」として特定の役割を果たすことは可能です。
Ampero Ⅱ Stompの開発インタビューはいかがでしたか。少しでも本モデルの実力や使い方についてヒントになれば幸いです。製品が気になった方は是非製品ページをチェックしてみて下さい。
Ampero Ⅱ Stomp 製品情報
https://allaccess.co.jp/hotone/ampero2stomp/