どんなペダルにも対応するStrymonのパワーサプライの魅力を徹底解説
- 2021年3月12日
- エフェクター
皆さん既にご承知のように、エフェクターが2台以上になったらマルチ出力の電源ユニットがあると便利です。StrymonからはZuma, Zuma R300, Ojai, and Ojai R30の4機種が発売されています。(日本国内はZumaを除く3機種のみ)
皆さんはこんな悩みを抱えていませんか?
「演奏中に使っている電池が切れたらどうしよう」
「電気をたくさん食うデジタルペダル用の電源が重くてスタジオへ行くのが憂鬱…」
「安物のAC電源を使って、複数のエフェクターをつないだらグランドループが発生してノイズがひどい。」
Strymon電源を使えば、もうこんな問題点に悩む必要はありません。
Strymonのカスタマーサービスへは、エフェクター用電源についての質問が多く寄せられます。
「9V電源のエフェクターに12Vを使っていけないの?」
「100mAのエフェクターに500mA電源をつないでいいのか?」
「極性って何?」などなど。
こうした質問にお答えして行くと、最終的にはStrymonのパワーサプライが、安心してお使いいただける最良の選択だとお分かりいただけると思います。
まず、基本的な電気用語を説明します。
「消費電流」、「電圧」、そして「極性」。
最初に、お使いのエフェクターの消費電流を知ることが重要です。消費電流はミリアンペア(mA)で計測され、エフェクターが正常動作に必要な電流値を表します。アナログエフェクターは大体100mA以下、デジタルは数100mA必要です。あまりお目にかかりませんが、真空管を使ったエフェクター(ペダル)は数アンペア必要のものもあります。(1A = 1,000mA)大切なのは必要な電流値です。消費電流が50mAのエフェクターを500mAの電源につないでも故障することはありません。
消費電流
全てのStrymon製の電源製品は、9VDC/500mAを各出力から供給できます。つまり、ほとんど全てのDSPベースのエフェクターを十分給電できます。
[Strymon豆知識:実はStrymon製の電源出力は9Vより若干高く設定されています。というのも、フレッシュな9Vバッテリー(特にマンガン)は約9.5Vあり、電圧が高いほどダイナミックレンジは広くなるからです。そのため「電池の方が良い音がする」というミュージシャンがいるのも頷けます。]
電圧
9V駆動のエフェクターについてはお分かりいただけたと思いますが、それでは12Vや18Vのエフェクターについてはどうなのでしょうか?
これはまさに電圧に関する質問ですね。(V)は電気的圧力=電圧を示し、電気の流れの強さ(A)とは異なります。この電圧が足りないとエフェクターは動作しません。Zuma R300、Ojai R30の両機種は、9V、12V、18V出力電圧を切り替えることができ、12Vや18Vのエフェクターにも給電できます。
極性
最後に極性についてお話ししましょう。ほとんどのエフェクター(ペダル)は、センターピンが(+)or(-)に決められたジャックを使用しています。これがエフェクター電源の極性で、その仕様は電源ジャック付近に図のように表示されています。最近ではほとんどのエフェクターがセンター(-)を採用しているので、問題にはならないと思います。しかし、この極性を間違えて接続すると、エフェクターが故障する場合がありますから覚えておきましょう。
Strymonペダルには、間違った接続をしないように極性を示す図のシンボルマークが添付されています。
よくある質問
ここまでの説明で、電流、電圧、極性についてお分かりいただけたと思います。Strymon電源は、各出力からセンターマイナス9V 500mA、12Vでは375mA、18Vでは250mAが供給できます。この仕様であれば、パワーサプライとしてほとんどのエフェクターに対応できます。しかし、以下のような質問を時々いただきます。
- 24Vや36Vが必要な場合はどうすれば良いのでしょうか?
- 手持ちのエフェクターはセンタープラスで、ピンの大きさが2.1mmより大きいのですが、どうすれば良いでしょうか?
- 消費電流が500mAを超える場合はどうすれば良いのでしょうか?
- 電源プラグが3.5mmの場合は?
- AC電源のペダルはどうすれば良いのでしょうか?
- エフェクターの電源規格がわかりません。
これらの質問に一つずつお答えしていきます。
Q. 24Vや36Vが必要な場合はどうすれば良いのでしょうか?
12Vに切り替えた2出力へボルテージダブラーケーブル(VDS-10)を接続すれば、24V出力が得られます。他のアダプターメーカーでもダブラーのオプションがありますが、大体は出力電流が限定されてしまうのであまりお勧めできません。
Q. 手持ちのエフェクターはセンタープラスで、ピンの大きさが2.1mmより大きいのですが、どうすれば良いでしょうか?
極性のセクションで説明しましたが、電源ユニットとエフェクターの電源極性を変換する必要があります。極性変換ケーブル(PR-SS-15-2.1)を使用すれば解決できます。
多くの場合、センタープラスの電源プラグは2.5mmサイズが使われています。その場合はこちらの極性変換ケーブル(PR-SS-15-2.5)を使用してください。これらのサイズ違いを知るには、通常のDC電源コネクターで試すと良いでしょう。
Q. 消費電流が500mAを超える場合はどうすれば良いのですか?
日々、消費電流の高い、パワフルな新しいエフェクターが登場しています。それらへの電源供給には、カレントダブラーケーブル(ボルテージダブラーケーブルとは異なります。)を2出力に使用して、同電圧&ダブル電流(1,000mA/9V)を給電できるようにします。(残念ながら、この仕様のStrymon製ケーブルはラインナップにありません。別途お買い求めください。)
Q. AC電源のペダルはどうすれば良いのでしょうか?
Strymonでは、軽量&大容量でコンパクトサイズの仕様を優先して、現行の電源製品を設計しました。AC電源を供給するためには、50/60Hzの伝統的な電源トランスが必要です。それらのトランスは重くノイズを発生します。また、マグネティック部品のためギタリストには好材料とは言えません。(例:Wahを近づけるとノイズの原因になります。)
AC仕様のペダルは一般的ではありませんが、EHXペダルのような電源ケーブルが付いたペダルは、AC出力付きのIECスプリッターの使用をお勧めします。このIECスプリッターからZuma R300やOjaiにACケーブル一本で接続し、ペダルボードの電源を全て供給できます。
Q. エフェクターの電源規格がわかりません。
エフェクターの電源極性、消費電流、電圧やジャックサイズが分からない時は、ペダルのユーザーガイドをご覧ください。それでも仕様が分からない場合は、製造メーカーに問い合わせることをお勧めします。
使用上の問題点やさらに詳しい情報が必要な場合は、pedal@allaccess.co.jpへメールでお問い合わせください。