どう組み合わせるか? AMPとIR CAB。 Amperoを使ってやってみました。
- 2019年8月30日
- エフェクター
アンプシミュレーターをライブやレコーディングで使うギタリストが増えています。
その中で「インパルスレスポンス(IR)」という言葉を聞いたことがあるギタリストは少なくないはずです。IRの説明に関しては長くなるのでこちらの記事では割愛します(「IR」、「キャビネットエミュレーション」等という言葉でweb検索してみて下さい。わかりやすい説明がいろいろ出てきます。)
Amperoにも70種類のIR CABがあります。それらをAMPと組み合わせて良い音を作りたいところですが、一つ一つ比べていたらキャビの音を決めるのに丸一日かかってしまいます。そして、悲しいことに比べれば比べるほど、何がいい音かわからなくなってきます…。
そこで、AMPとIR CABの良いマッチングを効率的に見つける方法を、サウンドサンプルでいくつかご紹介します。
HOTONE「AMPERO」製品情報
http://allaccess.co.jp/hotone/ampero/
基本の音として、Ampero内のプリセットF05-2「Crunchy Rhythm」を使用したいと思います。AMP=Marshell800、そしてFET Boostと少しだけSpringリバーブを足した、いわゆる王道のマーシャルドライブサウンドです。
まずはCabなしのサウンド
さすがにないですね、、、。これに、プリセットの「UK Green 4×12」をオンにしてみます。
UK Green 4×12を追加したサウンド
かなりナチュラルで、マーシャルアンプらしいサウンドになりましたね!
とにかくアンプのオリジナルキャビ有りき、ですね。
ご存知のように、マーシャルキャビはクローズバック(密閉)12インチ4発。フルスタックだと2段積みにします。アンプの設計者は、使うキャビが「音決め」の基準です。なので、その流れに準ずるIRを試していくとうまくいきます。
ではそれにちなんで、「UK」から始まるIRマーシャル系のキャビを全て試してみましょう。
参考:Ampero CAB IRリスト(http://allaccess.co.jp/hotone/ampero/CAB.pdf)
全てのマーシャル系キャビネット(7種類)を連続で鳴らしてみました。
順番:35 UK Green 4×12→ 34 UK Modern 4×12→ 33 UK Trad 4×12 → 32 UK Lead 4×12 → 49 UK T75 4×12 → 44 UK Black 4×12→ 20 UK Green 2×12
Bogner、Soldano、Freidman等のアンプの歪みチャンネルは、回路的にはマーシャル系です。そしてキャビネットも同じく4×12クローズドバックを前提に作られているので、それを踏まえて他の4×12のCabも試していきましょう。
順番:36 Eddie 4×12 → 37 Rector 4×12 → 38 Boger 4×12 → 39 Engle 4×12 → 40 Urban 4×12 → 41 Soloist 4×12 → 42 Tang 4×12 → 43 Hiway 4×12 → 45 The Way 4×12 → 46 Dumbell 4×12 → 47 Dizzle 4×12 → 48 Triple 4×12#
僕の好みは、35 UK Green 4×12、33 UK Trad 4×12、44 UK Black 4×12、39 Engle 4×12, 40 Urban 4×12, 41 Soloist 4×12, 42 Tang 4×12の音でした。
これらを実際にレコーディングして、アンサンブルの中で他の楽器と鳴っているサウンドが一番カッコいいと思う音を選びましょう。そしてパラメーターのマイクや位置、アンプ側の設定、エフェクトを足してより好みの音に微調整しましょう。
ここまででお分かりだと思いますが、オリジナルアンプのセットアップを思い浮かべながら、それに倣ってコンビネーションを選んでいくことが基本だと思います。
フェンダー系はどうするか?
本来フェンダー系のキャビネットはオープンバックでスピーカーの数も1〜2発ものがほとんどです。フェンダー系もオリジナルアンプを思い浮かべながら、これまでの例と同じように試してみて下さい。
まとめると
- 1. 出したい音の種類を決める(歪み、クリーン、クランチ、等)
- 2. 出したい音に近いアンプとキャビのベストな組み合わせを見つける
● アンプとキャビは同じメーカーのものから始めるのがオススメ
● 実物を想像しながら、似た傾向のIRと差し替えてみる
● 好みの音を絞り込み、用途に合わせて使い分ける - 3. 基本の組み合わせが出来上がってからアンプ側やIR側を微調整したり、空間系エフェクトなどを付け加えて仕上げる。
ここでまとめた例はあくまで基本的な進め方です。マーシャル系のドライブサンドに12インチ1発のオープンバック…のような現実ではあまり使用されない組み合わせも、楽曲に合えば遠慮なく使用してみましょう!
以上、Amperoを使ってAMPとIR CABの良いマッチングを効率的に見つける方法をご紹介しました。
Text & Demo:二木元太郎