REV33

音楽プロデューサー 伊藤圭一氏レビュー

REV33 伊藤圭一氏レビュー

伊藤 圭一 × REV33

音楽プロデューサー / エンジニア 伊藤圭一氏が語る REV33 レビュー

音楽プロデューサーであり、レコーディング・エンジニアの伊藤圭一さんが、REV33の使用レポートを寄稿してくださいました。

REV33を使うことで、倍音が整理されて、聴きやすくなり、耳や脳が疲れない。

REV33は、特に、ミュージシャンがイヤモニを使用する際に、極めて有効だと思います。倍音が整理されて、聴きやすくなり、耳や脳が疲れないでしょう。

ミュージシャン(特に自ら音を発するボーカリストや演奏家)が音楽を聴くとき、最も気になるのは、「音程」と「リズム」です。もちろん他にも音程が組み合わさったものとして、「ハーモニー」があったりもしますし、「音量」の変化も大事な要素です。

しかし特にクリティカルに聞きたいのは、音程です。

音程感を感じやすくするために、倍音を整理するという考え方。

一方で、「音色」も重要です。この音色を決める、大きな要素は「倍音」でありその構成(倍音構成)とエンベロープ変化です。一般的に倍音が豊かなサウンドは、「いい音」だと思われています。しかし豊かすぎる倍音は、時として音程を惑わしたりします。つまり、倍音が多いことで、基音が聞き取れなくなるなど音程を認識するには、さほど必要ない場合もあります。

わかりやすい例を挙げると、シンバルのように、豊富な倍音を含む楽音は、音程感を感じにくいわけです。シンバルであれば、問題はありませんが、これがディストーション・ギターであれば、チョーキングをしながら、どこまでピッチが上がったかを聞き分けたいのに、倍音が多すぎると基音が聴きづらくなったりするわけです。

もちろん適度な倍音を含むことで、音程感を感じやすくしてくれることも確かです。ですが、偶数次の倍音であれば、いいのですが、非整数倍のギラついた倍音は演奏家には、邪魔なこともしばしばあるのです。

 

REV33を通った音は、単にハイカット(ローパス)したEQを通したものとは違い、人間の耳に慣れた"空気感"がある。

REV33を通すことで、適度に倍音が整理されて、非常に明瞭に、音程感を聞き取れるようになります。 これは、単にハイカット(ローパス)したEQを通したものとは違い音がこもった感じになるわけではありません。 また、適度にピークが鈍ることで、鋭いトランジェントが和らぎ耳に優しいことも重要なポイントです。 特にインイヤーモニターで大音量で聴く際には、その効果が絶大ですから、組み合わせるにはベストでしょう。

イヤモニは、外耳に突っ込んで使用することで鼓膜に極めて近くなる上に、外部からの音が侵入しないように密閉されていますから、音圧の逃げ場がないため、アタックがダイレクトに耳を攻撃していることになります。 その結果、耳が疲れたり、場合によっては痛めたりしてしまいますが、REV33を使用することでそれを随分和らげることになるはずです。

また、スピーカー(フットモニターなどを含む)で聴いた場合には、ドライバーと耳の間には、空間(距離)がありますから、そこには十分な空気がありそこで、それなりに鈍って耳に届くのに比べ、耳の中に入れたイヤモニではそうしたことが、ほとんどありません。 適度な空気を通して音や音楽を聴くことに慣れた私たち人間の耳には、その空気感のような、適度に倍音が整理された感覚が、自然に音楽を聴くには最適なのです。

 

レイテンシーが生じないことも非常に重要です。

昨今は、音声がデジタル化されたことで、妙に周波数特性が良くなったり、トランジェント特性が良くなっています。しかも、それを耳の至近距離で聴くことになるイヤモニでは、厳しい状況になってきたと言えるでしょう。

REV33を通すことで、ちょうど十分な空気を通して整理されたサウンドに近い状態が構成されるようです。ですから、イヤモニを嫌う理由の一つであった耳が痛いとか疲れるという状況が和らぎます。

音程感が聞き取りやすくなることで、絶対的なモニター音量を下げることもできますから、結果的にさらに耳に優しいモニタリングが可能となります。聞きやすい音になると音を判断するために活動している脳も疲れなくなります。結果的に、身体全体が疲れにくくなりストレスも軽減されます。

そうなると演奏も良くなり演奏自体のダイナミクス表現も豊かになりますから、バンド全体の音楽性や表現力の向上にも大きく貢献することが期待されます。

それから、AD-DAするようなデジタル機器のようにプロセッシング・ディレイが生じないことも非常に重要なポイントです。どんなに優れたイクイップメンツであっても、レイテンシーが生じるようであれば、リアルタイムモニターしているミュージシャンのイヤモニには不適切、というか使用できませんから。

インタビュー中で紹介された製品
プロフィール

伊藤圭一(いとう けいいち)
音楽プロデューサー / レコーディング・エンジニア

株式会社 ケイ・アイ・エムの代表であり、サウンド・プロデューサー&レコーディング・エンジニア。録音は業務用レンタル・スタジオで行うのが常識だった時代からそれを覆し、最先端の機材と自らが設計した機材による、オリジナリティー溢れるスタジオ「Kim Studio」を設立。プライベート・スタジオや、プロジェクト・スタジオの先駆けとなる。

映画・テレビ音楽、CD制作、イベント・コンサートの音楽プロデュースなどを手掛ける他、内外のオーディオ・メーカーや音響設備の技術顧問も歴任。

オーケストラやアコースティックな楽器の録音にも研鑽し、透明感があり厚みのある音づくりを得意とする。サラウンド・ミックスなども多く手掛け、ピアニスト・バイオリニスト・ギタリストといったアーティストのプロデュースも多数。その一方で、レコーディングにおけるコンピューターや機材を使いこなす技術と斬新なアイディアは高く評価され、音響・レコーディング専門書からの執筆依頼も絶えない。その変幻自在のテクニックから作り出される音楽ゆえ、“音の魔術師”と呼ばれている。

2012年10月より、ラジオNIKKEI第一にて自身がパーソナリティを務める番組「伊藤圭一のサウンド・クオリア」がスタート。クリエイティブに携わるゲストとの"現場感"のあるトークは、業界内で話題となっている。

Kim Studio

 

東京コミコンのお知らせ

今年の12月2〜4日に、幕張メッセで開催されます『東京コミックコンベンション』(=東京コミコン)の統括プロデューサーにサウンド・エンジニア&プロデューサーの伊藤圭一様が任命されました。

コミックコンベンション、通称「コミコン」とは、1970 年より、アメリカン・コミック(アメコミ)を中心にしてスタートした、ポップカルチャーのイベントです。

アメリカでは定着しているコミコンですが、今回は我が国にハリウッドの映画や関連するコンテンツを持ち込み、ハリウッドスターや著名人などもお呼びして、日本のポップカルチャーやテクノロジーとの融合をテーマにした大規模イベントとなり、初開催となります。

http://tokyocomiccon.jp

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