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Strymon製品を愛用する世界的バイオリニスト、ルザンダ・パンフィリ特別インタビュー

ルサンダ・パンフィリ
  • 2021年8月26日
  • strymon
Strymon製品を愛用する世界的バイオリニスト、ルザンダ・パンフィリ特別インタビュー

ルザンダ・パンフィリは並外れた才能あふれる若きバイオリニストです。クラシカルなレパートリーに加えて、彼女はハンス・ジマーをはじめ、ブライアン・メイとスティーブ・ヴァイなど、どんなアーティストともコラボレーション出来る、類まれな才能とチャンスを手にした映画作曲家でありサウンドアーティストです。彼女はこれまでのキャリアについて、また、演奏家としてパンデミックの状況にどのように向き合っているのか、と言ったことについて伺ってみました。

ルサンダ・パンフィリ

strymon:バイオリン協奏曲の演奏から映画音楽のアレンジ、コンテンポラリーな作曲まで、多数の素晴らしいプロジェクトに取り組んできました。室内楽コンサートを演奏することと、振付家やデザイナーとコラボレーションすること、これらはすべての同じように取り組まれているのでしょうか?それともそれぞれで異なった情熱がありますか?

ルザンダ:私はいつも音楽、そして一般的に芸術的表現の形は自由で、多様性があると感じています。子供の頃から、私はダンス、歌、絵に大きな情熱を持っていましたし、それに対する興味は消えるこはなかったので、後に、私が実際に私のバイオリン演奏や音楽制作とそれらの異なる分野のものを組み合わせるプロジェクトに関わるようになったのは自然の流れでした。 音楽のジャンルの違いに対しても開放的な精神を持っているので、私のクラシックなパフォーマンス表現もこれらの素晴らしいコラボレーションによって、より豊かになったと思います。

strymon:あなたが協業してきた、影響力のある作曲家と指揮者は枚挙にいとまがありませんが、おそらく最もよく知られているのはハンス・ジマーではないでしょうか。

ルザンダ:私たちは、ガスリー・ゴーヴァンやティナ・グオなど、世界で最高のミュージシャンと2週間に渡り、ロンドンの小さなスペースでリハーサルをしていました。ハンスはとてもクリエイティブに対して貪欲で、アイデアに対してはオープンで寛容でした。彼は主に感情に基づいた作品づくりが得意です。音楽は常にそれにふさわしい感情を持っているのです。それは夢のように非現実的な感覚でしたが、私は一秒も逃さないようにそれを吸収しました。私の最初の大きなアリーナショーはウェンブリーで、その時の体験が信じられないほど大きな力を与えてくれました。何千人もの叫び声と拍手の前に立つことは、私がステージで今まで経験したことがないようなものでした。うまく言えないのですが、その、大きなステージは、私がここにいたい、と思える場所だと確信したのです。


strymon:音楽の興行はコロナウイルスのパンデミックによって大ダメージを受けていると思いますが、ルザンダさんはどのように向き合い、乗り越えていっていますか。

ルザンダ:パンデミックによってすべてのコンサート活動のキャンセルが余儀なくされた時、私は、これはやりたいことをやる良い機会だと思いました。 幸いなことに、私の叔父ビクターパンフィロフはルーマニアで素晴らしい経験を持つプロのサウンドエンジニアであり、私が必要とするギアの種類、私が使用できるDAW、音響などについて最初に私に多くのアドバイスをくれました。わずか1ヶ月ほどテストレコーディングをした後、私はハンス・ジマーとスティーブ・マッツァーロからドリームワークス映画「ボス・ベイビー2 – ファミリー・ビジネス」の映画音楽を一緒にやってみないかと電話を受けて、私がレコーディングしたトラックが映画に選ばれました。それから多くの作曲家やミュージシャンから連絡が来るようになって、自宅でセットアップを行い、パンデミックの間に想像以上の仕事を達成することが出来ました。

strymon:今取り組んでいるプロジェクトについて教えていただけますか?

ルザンダ:今取り組んでいるのは、スペインのサッカーチームのための曲、エレクトロニックとクラシック音楽を融合させたオリジナル曲でのシングルリリース、ハンス・ジマーと一緒にいくつかの将来の映画音楽制作、加えて、兄のステファン・パンフィリと一緒にドキュメンタリーを作ったり、イタリアのアカデミア・ヴィチーノで教えたりと、いくつかの音楽プロジェクトがあります。

strymon:次回コラボレーションしてみたい人はいますか?

ルサンダ:私はルートヴィヒ・ゲランソン、ジョン・ウィリアムズ、レディー・ガガやビリー・アイリッシュのようなポップ歌手などのソングライターともコラボレーションしたいと思っています。

strymon:これまでに最も影響を受けた音楽家は誰ですか?

ルザンダ:私の先生、アレクサンダー・アレンコフですね。彼は私にバイオリンについてのすべてを教えてくれました、そして私が楽器を通して自分自身を表現できるレベルに到達する方法を教えてくれましたが、最大の影響は人生そのものに及んでいます。私が得た宝もの、経験、感情はすべて私の音楽的アイデンティティの一部なのです。

strymon:過去の音楽時代に戻ることができるとしたらどの時代に行きたいですか?

ルザンダ:私たちの音楽理解の基本が作られたバロック時代、またはジャズと印象派の発展を体験するために20世紀の初めにも興味があります。

strymon:最初に手にした楽器は何でしたか?

ルザンダ:実は最初からバイオリンでした。私の母はバイオリンを演奏し、プロの音楽家ではありませんでしたが、たまには家で演奏をしていたので、ある日、私は母親の真似を始めて、6歳頃にバイオリンから始めました。

strymon:あなたが使用しているstrymonのペダルについて教えてください、それらをどのようにあなたのワークフローに組み込んでいるのですか?

ルザンダ:特に映画音楽でエフェクターを使って制作を始めてから、私にとって音楽表現において、それまでに想像もしなかった新しい扉が開きました。弓弦楽器を演奏するだけでなく、今の私は、エレキベース、シンセサイザーやパーカッションも演奏するので、エフェクターは必要不可欠なんです。私はサウンドフリークなので、エフェクターを使って制作していると、あっという間に時間が経ってしまいます。エフェクターは私を魅了する音とテクスチャを生み出す無限の可能性を持っています。私は例えばNightskyとTimelineを使うのが大好きなのですが、これまでに到達したことのない境地へ私を導いてくれるのです。また、私のエレキバイオリンやエレキベースのサウンドがCompadreとRiversideを通すと表現力豊かなドライブがかかり、その良さが際立ちます。

strymon:エフェクター以外に好きなものはありますか?

ルザンダ:Moog OneやDeckard’s Dreamに限らずアナログシンセサイザーの、様々なプラグインや音楽ライブラリはインスピレーションの源泉ですね。

strymon:これまでに手放したくなかったものはありますか?

ルザンダ:私は10年間ロレンツォ・ストリオーニのイタリア製バイオリンを使っていました。ただ、大学を卒業する時に、私はそれを返さなければならず、とてもつらかったですね。私はそのような素晴らしいバイオリンで演奏できたことに感謝しています。 今、私はオーストリアの財団から貸与いただいた1610年製ブレシアメイドのG.P.マッジーニバイオリンを弾かせていただいているのですが、これは本当に幸せなことです。

strymon:あなたの人生に最も影響を与えたことは何でしょうか?

ルザンダ:ギアの面では、それは間違いなく私のスタジオにレコーディング機材を導入したことです。作曲や編曲を始めて、シンセサイザーなどの電子楽器を演奏したことで、音楽の見方が変わりましたし、もっと理解したいと思えるようになりました。

strymon:これから音楽を始める方に何かアドバイスはありますか?

ルザンダ:あらゆる種類の知識を常に自分にインプットしてください。常に貪欲に、クリエイティブでいること。失敗は最良の学習プロセスであることを忘れないでください。おっして誰かをうらやむのではなく、仲間に対して感謝することを覚えたら、より多くのことを学び、気づくことが出来るでしょう。


元記事:Musicphych(http://www.musicpsych.com/docs/latest_news/EyklVFEAlVZrHDuTtJ.shtml)